問題1
今の若い人は、ある程度完備した科学社会に生まれている。携帯電話もカーナビも当たり前になった社会である。発展の過程を見ていない彼らは、どういった原理でそれらが機能しているのかを知らない。知らなくても、その恩恵を受けることができる。充電さえしていれば、誰とでもいつでも連絡がつくと信じている。電波がどんなもので、どのような設備によって成り立っているのかを知らない人が多い。十数メートルしか離れていない場所なのに、携帯電話が通じなくなることがあるなんて、考えてもいないだろう。
こういった「科学離れ」については、昔から問題意識はあった。だから、子供たち向けに科学を教育するシステムをいろいろな形で模索してきた。けれども、僕が感じることが一つある。そういう教育をしているのは、科学が好きな人たちだ。だから、口を揃えてこう言う、「科学の楽しさを子供たちに知ってもらいたい」と。この言葉を聞くたびに、「楽しさ」を押しつけている姿勢を感じずにはいられない。読書の楽しみを知ってもらいたい。スポーツの楽しさを感じてもらいたい。ほかの分野でも、こういった姿勢は根強い。しかし、科学の場合は、そんな悠長な問題ではない、と思うのだ。読書やスポーツが嫌いな人は、それをしなくても良いだろう。楽しみは、ほかにいくらでもある。しかし、科学を避けることは、この現代に生きていくうえではほとんど無理なのである。(中略)もはや、好きとか嫌いで片づけられるものではない、ということだ。
(森博嗣『科学的とはどういう意味か』による)
1. 筆者は、今の若者をどのように見ているか。
科学が発展した社会に生まれたので、携帯電話などの機器のない不便さを知らない。
科学社会で育っていても、携帯電話などの機器の原理を知らないで使っている。
科学の発展過程を知らないため、携帯電話などの機器の進歩が実感できない。
科学に関心がないので、携帯電話などの機器を十分に活用していない。
2. 僕が感じることが一つあるとあるが、何を感じているのか。
科学が好きな人たちだけが、科学の楽しさを教えられるわけではない。
「科学離れ」を防ぐには、科学の楽しさを教えることが大切だ。
科学の楽しさは、子供が簡単に理解できるものではない。
科学教育は、科学の楽しさばかりを強調している。
3. 筆者の考えに合っているのはどれか。
現代は科学とかかわらずに生きていくことはできない。
現代は科学を無理に好きになる必要はない。
科学が読書やスポーツより楽しくないのは当然だ。
これからは科学嫌いをなくさなければならない。
問題2
A
今日、多くの国々で、地球環境に配慮した車が求められている。そのような中でガソリンではなく電気で走る自動車が登場したが、まだ値段も高く長距離を走ることも難しい。また、充電する場所も限られるために、電気自動車に乗る人はそれほど多くない。
しかし、近い将来、それらの問題も技術の進歩によって解決され、やがてはより身近で一般的な乗り物になっていることが考えられる。また、電気自動車は構造が複雑ではないため、一人用または二人用の小型のものならば、個人で製造できる可能性もあるそうだ。数十年後には一人一台電気自動車を持ち、全国どこへでも行ける時代が訪れるかもしれない。
B
今や自動車は私たちの生活になくてはならないものになっているが、環境への意識が高まるにつれ、車に対する人々の考え方が変化してきている。その結果、電気自動車が、走行時に二酸化炭素を出さず、騒音も少ないことから、環境に優しい車として注目を集め、徐々に利用者も増えている。また、カーシェアリングといって、一台の車を複数の人で使用するというシステムも整ってきている。このような傾向が続けば、個人で車を持つ必要性は薄れてくるだろう。十年後、二十年後はガソリン車が姿を消し、電気をエネルギーとする車を数人で一台利用している、そんな時代が来るかもしれない。
4. AとBのどちらの文章にも触れられている点は何か。
電気自動車所有状況の予測
人々の電気自動車に対する関心の高さ
今後開発される電気自動車の新機能
現在の電気自動車が環境に与える効果
5. AとBの筆者は、車社会の今後の可能性についてどのように考えているか。
AもBも、車の台数はさらに増え、人々の生活に不可欠なものになるだるうと考えている。
AもBも、車の技術はますます進歩し、環境を意識した車が手軽に利用できるようになるかもしれないと考えている。
Aは電気自動車の利用者が増えると考え、Bは電気自動車の普及に加え利用の仕方も変化するだろうと考えている。
Aは電気自動車の技術が向上すると考え、Bは将来個人で電気自動車を所有することになるだろうと考えている。
問題3
人間とは不思議なもので、年をとってもいろいろな新しいことを経験したいという気持ちがある。例えば自分で茶わんを作ってみるとか、ピザを焼いてみるとか、さまさまな新しい挑戦がある。
しかし、当然のことながら、それがうまくいくことは少ない。茶わんはぜんぜん丸く作れないし、ピザはおいしくない。だが、それを恥ずかしく思う必要はないのだ。最初からうまくできるなら、世の中のさまざまな学校や修業は必要ないことになる。初めはうまくいかないのが当たり前なのだ。
それなのに、家族の者に「変な形」、「まずい」などと言われると、「もう二度と作らない」と思ってしまう。初めての挑戦には、周りの人々の理解と応援も必要なようだ。
6. 「新しい挑戦」とあるが、筆者はこれについてどう思っているか。
周りの人々に理解されない場合は、初めからやちないほうがいいと思う。
初めはうまくいかないのが当然なのだから、できなくても恥ずかしく思うことはない。
年をとってから新しいことに挑戦する場合は、周りの人々の応援があるので、うまくいくはずだ。
初めて挑戦することは、まず学校に行ったり一人で練習したりしてから、人の前でやったほうがいい。
단어 공부:
ある程度 (aru teido): to some extent, to a certain extent
完備 (kanbi): (being) fully equipped, (being) fully furnished
カーナビ: car navigation system
発展 (hatten): development, growth, advancement
原理 (genri): principle, theory, fundamental truth
機能 (kinou): function, facility, feature
恩恵 (onkei): grace, blessing, benefit
充電 (juuden): charging (electrically), electrification
電波 (denpa): electromagnetic wave, radio wave
設備 (setsubi): equipment, device, facilities
成り立つ (naritatsu): to consist of, to be made up of
離れ (banare): seperation from, independence of, alienation from
問題意識 (mondaiishiki): awareness of the issues, concerns
模索 (mosaku): groping for, exploring for a solution
口を揃える (kuchi o soroeru): to speak unanimously, to speak in unison
押し付ける (oshitsukeru): to press, to push, to force
姿勢 (shisei): posture, attitude, stance
根強い (nezuyoi): firmly rooted, deep-seated
悠長 (yuuchou): leisurely, slow, easygoing
進歩 (shinpo): progress, advance, improvement
活用 (katsuyou): practical use, application
配慮 (hairyo): consideration, concern, care
長距離 (choukyori): long distance, long haul
電気自動車 (denkijidousha): electric automobile
構造 (kouzou): structure, framework, makeup
一人用 (hitoriyou): for one person’s use
小型 (kogata): small, small-sized, miniature
製造 (seizou): manufacture, production
高まる (takamaru): to rise, to swell, to be promoted
走行 (soukou): running a wheeled vehicle (e.g. car), travelling
二酸化炭素 (nisankatanso): carbon dioxide
騒音 (souon): noise
注目を集める (chuumoku o atsumeru): to gather (attract, receive) attention, to become popular
利用者 (riyousha): user, end-user
カーシェアリング: car sharing
整う (totonou): to be ready, to be arranged, to be prepared
必要性 (hitsuyousei): necessity
薄れる (usureru): to fade, to become dim
所有 (shoyuu): one’s possessions, ownership
予測 (yosoku): prediction, estimation
新機能 (shinkinou): new functionality, new feature
車社会 (kurumashakai): automobile society, motorized society
今後 (kongo): from now on, hereafter
台数 (daisuu): number of large objects such as cars, computers, etc.
不可欠 (fukaketsu): indispensable, essential
手軽 (tegaru): easy, simple, cheap
普及 (fukyuu): diffusion, spread, popularization
向上 (koujou): elevation, rise, improvement
挑戦 (chousen): challenge, defiance, attempt, try
修業 (shuugyou): pursuit of knowledge, studying, learning
応援 (ouen): aid, assistance, help
정답:
Question 1: 2
Question 2: 4
Question 3: 1
Question 4: 1
Question 5: 3
Question 6: 2
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