問題1
A
公立の図書館では、利用者へのサービス向上のために、人気の高い本を複数冊置くことが増えている。本が複数冊あれば、同時に多くの利用者に貸し出せて、予約待ちの期間も短くできる。
このような図書館の姿勢に対して、予算は限られているのだから買える本の種類が少なくなってしまうのではないかと心配する声もある。しかし、借りたい本がなかなか借りられない図書館では利用者は満足しないだろう。公立の図書館は、多くの人々に読書のきっかけを与え、本を読む楽しさや喜びを感じてもらうようにする役割を持っている。図書館に同じ本を複数冊置くことは、その役割を果たすための一つの方法だといえる。
B
最近公立の図書館では、人気の高い本を複数購入しているそうだ。有名な作家の小説などが対象らしい。流行の本を早く読みたいという利用者の希望に応えようとする図書館の気持ちは理解できる。しかし、どうしても早く読みたければ自分で買えばいいのだから、図書館がそのために多くの予算を使う必要はない。
税金で運営されている公立図書館の存在意義は、学問的に価値のある本やに手に入りにくい本など、さまざまな種類の本を一冊でも多くそろえていることだ。書店にない本でも図書館に行けば読めるというのが本来の姿だろう。同じ本を多く買うことによってその役割が果たせなくなったら、利用者に対するサービスの低下につながるといえる。
1. 公立図書館が人気のある本を複数冊置くことについて、AとBはどのように述べているか。
AもBも、利用者の希望を重視しすぎていると述べている。
AもBも、利用者へのサービス向上につながると述べている。
Aは予算が足りなくなると述べ、Bは図書館の存在意義が失われると述べている。
Aは利用者の満足度が高くなると述べ、Bは予算の使い方として適切でないと述べている。
2. 公立図書館の役割について、AとBはどのように述べているか。
AもBも、利用者の教養を高めることだと述べている。
AもBも、読書が好きな人を増やすことだと述べている。
Aは利用者に読書に親しんでもらうことだと述べ、Bは貸し出す本の多様性を確保することだと述べている。
Aは利用者が読書を楽しめる環境を作ることだと述べ、Bは書店よりも新しい本をそろえることだと述べている。
問題2
手紙というものは、不思議な伝達手段である。
書いている人間の気持ちは必ずといっていいほど文面に出る。心配もしていないのに、心配を押し売りするような手紙を書いてはいけない。
そのような気持ちは封を開いた瞬間に、真っ先に相手に届いてしまう。それが手紙の一番に恐ろしいところと言えよう。
愛している気持ちは届くかもしれないが、同時にその幼稚さや、愛の浅さや、性格の悪さまでもが相手に届いてしまう。
手紙というものは、人間の心を映す鏡のような存在でもある。
(辻仁成『代筆屋』による)
心配を押し売りする:ここでは、心配していると思わせる
3. 筆者は手紙をどのようなものだと考えているか。
書き手の意図しないことまで伝わってしまうもの
書き手の愛の深さだけが目立ってしまうもの
書き手の伝えたいことが伝えられないもの
書き手の心を思いどおりに伝えられるもの
問題3
長い間水の中にいると手足の指にたくさん「しわ」ができる。このしわを見たことがない人はいないだろう。私はこれまで、このしわは単に皮膚が水分を吸収し膨らんでできたもので、何の役割もないと思っていた。ところが、「1」そうではないという記事を読んだ。滑り止めの役割を果たしているというのだ。
この記事は、ある論文の実験結果をもとに書かれていた。「2」実験は次のように行われた。ひとつの容器に小さなガラス玉を入れ、それを指でつかんで別の容器に移し替えるのにかかる時間を計る。ガラス玉が入っている容器には、水入りのものと水なしのものが準備された。また、手はしわがある状態とない状態で、それぞれのかかる時間が計測された。しわは、ぬるま湯に手を浸すことで発生させた。結果は次のようなものである。
まず水の有無について見てみると、水入りの容器から移し替えるより、水なしの容器から移し替えるほうが速い。次に水入り、水なしの各条件において、しわの有無の違いによる結果を見てみると、水なしの場合、しわがあってもなくても大した差はない。しかし、水入りの場合、しわがあるほうが速い。以上の結果から、実験者は、しわは水中などぬれた環境で物をつかみやすくするためにできるようになった可能性があると述べているそうだ。
しかし、どうなのだろうか。滑り止めのためであれば、水に入れたらすぐにしわができないとおかしいのではないだろうか。しわの役割を知るためには、新たな実験を待たなければならない。
4. 「1」そうではないとあるが、どういうことか。
「しわ」は長い間水の中にいるとできるわけではない。
「しわ」はすべての人にできるというわけではない。
「しわ」には滑り止めの役割があるわけではない。
「しわ」に役割がないわけではない。
5. 「2」実験で最も時間がかかったのはどの場合か。
容器に水があり、「しわ」がある場合
容器に水があり、「しわ」がない場合
容器に水がなく、「しわ」がある場合
容器に水がなく、「しわ」がない場合
6. 筆者は記事を読んでどのように考えているか。
「しわ」ができるまでに時間がかかるので、滑り止めだと決めるにはまだ早い。
「しわ」ができるまでに時間がかかるが、滑り止めである可能性が高いだろう。
「しわ」があっても滑るので、滑り止めだと決めるにはまだ早い。
「しわ」があると滑りにくいので、滑り止めである可能性が高いだろう。
단어 공부:
公立図書館 (kouritsutoshokan): public library
利用者 (riyousha): user, end-user, consumer
サービス: service
向上 (koujou): elevation, rise, improvement
複数 (fukusuu): several, plural, multiple
貸し出す (kashidasu): to lend, to loan
姿勢 (shisei): posture, position, stance
予算 (yosan): estimate, budget
なかなか: very, considerably, readily
役割を果たす (yakuwari o hatasu): to play a role, to serve a function
購入 (kounyuu): purchase, buy
流行 (ryuukou): fashion, fad, craze
税金 (zeikin): tax, duty
運営 (un’ei): management, administration, operation
存在意義 (sonzaiigi): meaning of life, meaning of one’s existence
学問的 (gakumonteki): scholarly
手に入る (te ni hairu): to obtain, to come into possession of
書店 (shoten): bookshop, bookstore
低下 (teika): fall, decline, deterioration
満足度 (manzokudo): (degree of) satisfaction
適切 (tekisetsu): pertinent, appropriate, adequate
教養 (kyouyou): cultivation, refinement, education
高める (takameru): to raise, to lift, to enhance
親しむ (shitashimu): to be intimate with, to befriend
多様性 (tayousei): diversity, variety
確保 (kakuho): guarantee, maintain, ensure
不思議 (fushigi): wonder, miracle, strange
伝達手段 (dentatsushudan): means of communication, tool of communication
文面 (bunmen) content of a letter
封 (fuu): seal
真っ先に (massaki ni): at the very beginning, first of all
幼稚 (youchi): infancy, childish, immature
手足 (teashi): hands and feet, limbs
しわ: wrinkle, crease, ripple
皮膚 (hifu): skin
水分 (suibun): water, liquid, moisture
吸収 (kyuushuu): absoprtion, suction, attraction
膨らむ (fukuramu): to expand, to swell (out), to get big
滑り止め (suberidome): anti-skid device, backup measure
実験結果 (jikkenkekka): experimental results
容器 (youki): container, vessel
ガラス玉 (garasudama): glass sphere, glass marble
移し替える (utsushikaeru): to shift something to, to transfer
計測 (keisoku): measurement, measure
ぬるま湯 (nurumayu): likewarm water
浸す (hitasu): to soak, to dip, to immerse
発生 (hassei): outbreak, spring forth, occurrence
有無 (umu): existence or nonexistence, presence or absence
実験者 (jikkensha): experimenter, researcher
掴む (tsukamu): to seize, to catch, to grasp, to grab
滑る (suberu): to slip, to drop, to glide, to slide
정답:
Question 1: 4
Question 2: 3
Question 3: 1
Question 4: 4
Question 5: 2
Question 6: 1
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